月日星 (セキレイ)

鶯丸の最新の調査結果まとめ 「鶯丸という現象１，２，３」 （これまで個別に公開していたもののまとめです。内容同じ。） ※「鶯丸という現象３」に関しては論文としてまとめました。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/icmrb/32/0/32_129/_article/-char/ja 長野県飯田市美術博物館研究紀要掲載 「鶯丸という現象１～資料から読み解く鶯丸の姿～」 フクレがあったとの記録から、巷では献上前は価値が無くなっていたと誤解されていることの多い鶯丸だが、献上前の鶯丸の資料を調査するとそんなことはなく、明治刀剣界の重鎮に絶賛され、強く求められた太刀であることがわかる。 本書は様々な資料から、鶯丸の評価・姿をつまびらかにするものである。 「鶯丸という現象２～明治の記憶」 古備前の名刀鶯丸は1441年に第六代将軍足利義教から信濃守護職小笠原政康に下賜されて以降、この後裔の小笠原家（勝山藩主家）に伝来した。 およそ４５０年後の明治中頃小笠原家を出る。 明治時代鶯丸は幾度もリアルタイム情報として新聞記事に取り上げられているにもかかわらず、現在に伝わる刀剣書には何故かその事実と相反する事柄が伝わっており、明治時代の来歴に関しては誤伝も多い。 本稿においては、情報の発信者、鶯丸をめぐる人間関係をつまびらかにし、確度の高い資料から鶯丸の明治以降の来歴をあきらかにする。また、誤伝に関してもその内容に関しひとつひとつ精査を行う。 「鶯丸と言う現象３～三月十五日の小笠原の祭祀～」 本書は三月十五日に行われていた小笠原家の祭祀の記録と「鶯太刀祭」の起源を探ったものである。 勝山藩小笠原家の宝刀鶯丸は、元は室町中期の嘉吉元年(1441)五月二十六日に結城合戦戦功の褒賞として将軍足利義教より小笠原政康に下賜された。 政康が信州松尾（長野県飯田市）より下総国結城（茨城県結城市）出陣のとき、三月十五日に松尾八幡宮前にて陣立てし戦勝を祈願したことより、三月十五日は小笠原家の重要な祭祀の日となった。 この三月十五日を「鶯太刀祭」と称していたという記録もあるが、それは元はいかなる記録であったのかを探った。 また、この「結城合戦出陣の日」を詳細に検証を行った。 鶯丸に関する長編調査本を書いている一部を抜粋しているので最初からいきなり「５章」となっていますがご容赦ください。